• 就職への動機

    • 障害者の方に関わる中で「一緒に何かできそうな関係がいい」と感じたので

      小学生のときにはクラスの中に障害のある人がいても、中学、高校、大学と進学するにつれ接する機会が減ります。そして、少しずつ世の中に存在することを忘れてしまう。私自身、ものづくりが好きなこともあり、大学では今とは全く違う分野の勉強をしていました。
      転機は大学生のとき。バイト友達が障害者関係の仕事をするために勉強をしているという話を聞き、障害者の人を思い出すようになりました。障害者という人が世の中にいる。どうやって生活してはるんやろ、と興味が湧き、ボランティアに行くように。何度も足を運ぶうちに、今まで知らなかった障害者の人の世界を知り、どんどん面白くなりました。
      大学卒業後は、別の事業所に就職。5年くらい働く中で、自分なりに関わり方が見えてきました。施設職員と利用者という関係よりも、もっと何か一緒にできそうな関係がいい。そう思っていたときにタイミング良くじゅぷの立ち上げの話があり、最初から携わることになりました。

    • 障害者の方の個性に惹かれた時に、ヘルパー制度ができたことから

      大学は龍谷大学の社会福祉学科。でも、福祉に興味があったというよりは、通学の便利さと、これからは福祉の時代が来るだろうとの考えで決めた学部です。その時点では、高齢者も障害者も特に興味はありませんでした。
      転機は大学2回生のころ。可愛い女の子に手伝って欲しいと頼まれた先が、障害のある方の家でした。きっかけは不純かもしれませんが、障害のある方がとても魅力的で面白かった。そしてその方の周りに、また色々な障害者の方がいて一緒に野球を見に行ったり、アメリカに連れて行って貰ったりしました。その時も自費ではなく、全て費用は出して貰いっての外出や旅行です。これを仕事にできればいいなと思いましたが、ヘルパー制度もない時代。仕事にするのは難しいと、一般企業に就職しました。
      会社の業績が悪化し転職しようかと思ったときに、タイミング良くできたのが障害者のヘルパー制度。それが2004年、2005年ごろのことです。そして大学生のときに出会った人から紹介されたのが、染井さんがいたじゅぷでした。転職し、今に至ります。

  • 現在の仕事内容

    • 福祉サービスを使うための書類作り「相談支援事業」をしています

      今は、基本的に相談支援事業をしています。相談を受ける範囲は、じゅぷのヘルパーを利用している人だけではありません。大津市に住む障害のある人がヘルパーを使う、使わないに限らず何か福祉サービスを使うときに相談を聞いて、市役所に申請する書類を一緒につくる仕事です。民間側がやることで利用者の立場に立つことができるメリットもあります。電話相談や実際の訪問を含め、月150件ほどの相談に対応しています。

    • サービス提供責任者で、利用者さんとスタッフのかけはしをしています

      今の役職は、サービス提供責任者。主な仕事はスタッフの管理です。シフトを組む、利用者さんからの依頼をマッチングさせる。無理なことに対しては無理だというのも仕事、謝ることも仕事です。最近は現場に行くことが減っていますが、ヘルパーとしての仕事もしています。

  • やりがいを感じるとき

    • 声をあげて制度がよくなったり、新しくなるときです

      実際に声をあげて、制度が変わったり、新しくできたときは、やりがいを感じます。介護保険の場合はなかなか難しく、段々厳しくなっていく部分もありますが、現場から声をあげることで変わってきているし、これから変わっていくことも色々あります。
      制度によって、国レベルの話か、市レベルの話かは異なりますが、市レベルの話は変えていきやすい。実際、市町村の裁量で任せている部分は結構多いです。だから国の制度でも、法律の解釈の仕方によって大津市と草津市では全然違うこともある。ただ、大津市は柔軟に対応してくれていると感じます。
      制度に合わせてやりましょうじゃなく、おかしいなと思ったら声をあげることが大事です。本来は障害者に限らず、国会政治も同じです。ただダイレクトに実感できる場面はそう多くはありません。でも、仕事を通してちゃんと感じられるのは面白いですね。

    • ありがとうの言葉をいただくとき、、利用者さんの変化が見えるときです

      ありがとうと言われたとき、というのはあまりにベタなのでやめておきます(笑)。色々なことが当たり前になっているのは事実ですが、でもスタッフや部下が結婚する、子どもが生まれたと報告を聞くのは嬉しいです。今も仕事の充実、そして結婚出産を経ても働き続けたいと思えるような職場づくりを目指して色々取り組んでいます。それもやりがいのひとつですね。
      それから、利用者さんの変化。発達障害や知的障害を持った人は、毎日会っているとなかなか発達が見えにくいです。でも、半年や1年で区切ったときに、この部分がこんなに伸びているという発見があります。会議で確認したときに、頑張ってるなと思いますし、やりがいに感じます。子どもの発達と似ていますが、本当に発達には年齢は関係ないなと実感します。

  • 夢や目標

    • 新しいことをどんどんやっていくことです!

      新しいことをどんどんやっていきたいですね。個人としても、仕事としても。中学生の頃からテニスを続けていますが、それ以外にも色々チャレンジしたいです。今年は初めてトライアスロンに出ようと思っています。子どもと体を動かしてずっと遊べるように(笑)。
      でも、もしも1年後自分の体が動かなくなっていたとしても、人よりはショックを受ける度合いが少ないと思います。そのときはまた他のことができればいいかなと。そう風に思えるようになったのは、この仕事のおかげでもあると思います。色々な人生、色々な楽しみ方があることを知りました。
      仕事に対しても、ある程度安定したら、このままでもいけるとなりがちです。でもそれでは面白くありません。新しいことに取り組むのは大変ですが、同じやるなら何かやらないと。その思いで日々取り組んでいます。

    • 賃貸物件付きの自社ビルを建ててみんなが来れる場所を作ることです

      夢は、じゅぷで賃貸物件付きの自社ビルを建てることです。今の事務所の2階でも、みんなで飲み会をしたり集まったりしていますが、さらに色々なことができる場所を提供したいなと。経済的な事情はありますが、事務所兼色々なものが揃っている場所。何もなくてもみんなが来れる場所。暇やし来たわと言える場所。障害者だけでなく、学生さんや地域の人たちが集える場所をつくりたいです。

  • 就職を考えている人に一言

    • 障害者介護は生活の中でいろんな経験ができます!

      どの業種でも、自分が楽しもうと思えば楽しめるものだと思います。ただ、障害者介護は、色々な人の生活の中に入り、色々な経験ができる仕事です。そして、その内容が自分の生活にも活かされる部分の面白みがあると思います。日常で障害者の人と接する機会がなく、知らない人にこそまず感じて欲しいですね。
      それから、じゅぷは服装髪型自由です。銭湯に入ることができなくなるので、刺青だけは仕事に支障がないようにして欲しいとお伝えしていますが、あとはお任せしています。

    • みなさんの生活スタイルに合わせたシフトを組んでいます

      伝えたいのは、じゅぷではみなさんの生活スタイルに合わせて勤務体系を変えるということ。利用者さんにも色々な人がいますが、スタッフにも色々なメンバーがいて、色々な生活があります。極力みなさんの生活に合わせられるようにシフトを組みます。また今も産休の制度を使っている人もいますので、結婚出産を経ても働きやすい職場づくりを目指しています。
      それから、じゅぷの利用者さんにはNHKのドキュメンタリー番組に出ている方がいます。ドキュメンタリー番組は深刻な雰囲気だけを切り取られることが多いですが、ふつうに会話して、テレビを見ながら笑う。そんな関係はいっぱいあります。テレビが切り取った裏側で、みんなが笑っている部分を見て欲しいですね。